まず、遺伝子とは何か、そしてたんぱく質とは何かをお話したいと思います。なぜなら、遺伝子組み換えは、基本的に遺伝子を導入する技術であり、その遺伝子から作られるものはたんぱく質ですからね。
わかりました。それではまず、遺伝子とは何かを教えて下さい。
遺伝子は、私たち生物が共通に持っていて、私たちの性質を決めているものです。ですから、私たちが食べている食品も、それが生物由来のものであれば、必ず遺伝子を持っています。たとえば、ほうれん草はほうれん草の遺伝子を持っていますし、豚肉には豚肉の遺伝子が入っています。ですので、ほうれん草を食べれば、ほうれん草の遺伝子を、豚肉を食べれば豚肉の遺伝子も同時に食べていることになります。
えっ、そうなんですか?遺伝子って食べちゃってるんですね。
そうです。正確には、遺伝子とは生物が持っている遺伝情報の単位です。遺伝子を作っている物質は、デオキシリボ核酸…DNA、と呼ばれています。でも、私たちがほうれん草を食べたからといって、そのほうれん草の遺伝子が、私たちの体の細胞の中に、そのまま入って体を緑色にしたりすることはありません。なぜなら、遺伝子を作っているDNAは、それがほうれん草由来のものであれ、豚肉由来のものであれ、どれも同じ4種類のヌクレオチドと呼ばれる成分からできていて、私たちが食べれば、消化分解されて、血液で私たちの体に運ばれて、栄養となるからです。これは、遺伝子組み換えで植物の中に入れられた遺伝子についても同じです。ですから、遺伝子組み換えによって入れられた遺伝子も、元からある遺伝子も、DNAを作るヌクレオチドとしては同じ4種類からできていて、必ず消化されるのです。
そうか。豚肉を食べてからだの中に豚の遺伝子がたまっちゃって、ボクがぶたになっちゃったら大変ですものね。
そのとおり。ですから、遺伝子って、分解されずに体の中に蓄積してしまうような化学物質とはまったく違って、分解されますので、長期的な影響や子孫への影響を及ぼすものではないのですよ。ご安心を。次に、たんぱく質について説明しましょう。