ここで、生物同士のつながりである生態系への影響についてお話しましょう。コロクンもひとりで生きているわけではないですものね。
そうです。遺伝子組み換え農作物が生態系に影響したら大変ですものね。
生態系への影響として、最近、大きく取り上げられたのは、オオカバマダラという蝶への影響です。ところで、このオオカバマダラという蝶はアメリカ人にとても人気のある蝶なのですよ。
へえ。それは知りませんでした。確か、風に飛ばされた遺伝子組み換えトウモロコシの花粉がこの蝶に当たって、当たった蝶がパタパタと死んでしまったってききました。
それは、コロクン、ぜんぜん違いますよ。実際には蝶の幼虫、つまりアオムシへの影響です。
え、また間違ったふうに考えていました。もっと、正確に知っていなくてはいけませんね。
いいえ、これはコロクンのせいばかりではありません。このドクター・タイガーにも責任があります。これから、説明をしましょう。この報告は、オオカバマダラの幼虫が害虫抵抗性トウモロコシの花粉の付いた葉を食べたら44%死んでしまったというアメリカの大学からの報告です。これに対しては、実際に実験を行った研究者も含め、実験室内での結果であって、実験条件も現実的には起こらないような大量の花粉を無理矢理に食べさせたものだと認めています。この結果を受けて、現実的なリスクを確認するため野外試験が行われていますが、トウモロコシ畑の中、畑の外1メートルの地点のトウワタの葉の上の花粉はそれぞれ1平方センチあたり78、26粒だったのに対し、オオカバマダラの幼虫が死ぬ密度は500から700であるという結果が得られています。この実験について、非現実的に大量の花粉を食べさせた結果であるということだったのです。
それでは、実際には影響はないし、蝶も死なないのですね。
そうです。この報告が出た後、この花粉を問題にするのなら、ハイウェイを走っている車が殺す蝶の数のほうを問題にするべきだといっていた人もいたくらいです。アメリカの政府は、現実の影響はなくても、このトウモロコシの開発者に、改めて、標的害虫以外の生物への影響を調べ直すように伝えています。このように、たとえ、現実的に影響が無いとわかっていいても、提示された疑問点について、適切な対応を続けていくことが大切ですね。
蝶には影響はないことはわかりましたが、そのようなトウモロコシをボクたちが食べても大丈夫なのでしょうか?
それでは、次に害虫抵抗性のトウモロコシの話をしましょう。