これまで、遺伝子組み換え食品について、いろいろ説明をしてきましたね。それでは、最後に遺伝子組み換え食品にはどのような良い点があるのかをお話しましょう。
何か良い点がなければ遺伝子組み換え食品を使う必要はありませんよね。一体、どういうところが良いのでしょうか?
まず、今出回っている遺伝子組み換え農作物では、植物自体が害虫抵抗性なので、殺虫剤などの化学農薬の使用量が少なくてすみます。だから、食品への化学物質の残留が低くなることによる食品としての安全性も高まります。当然、環境への負荷も減り、環境安全性が高まります。
なるほど、農薬の使用量が減って、食べる食品としてもさらに安全性が確保できるのですね。
そして、将来、期待されている遺伝子組み換え農作物ですが、消費者や環境に直接にメリットのあるものとして、すでに開発されている高オレイン酸ダイズのように、オレイン酸と呼ばれる善玉コレステロールを増やす性質のある脂肪酸を高めたものをはじめとする、品質改良されたもの、アミロースと呼ばれる成分を減らして、食味を改善したコメ、鉄分やビタミンAを含むコメなど、新たな栄養成分や機能性成分を付与した作物などがあります。このうち、高オレイン酸ダイズは開発がすんでいますし、鉄分とビタミンAを含むコメは国際機関で開発され、発展途上国に無償で供給されようとしています。また、やせた土地でも栽培が可能な作物、乾燥した土地、塩分がの高い、あるいはアルカリ性の土壌、または低温などの苛酷な環境でも育てることのできる作物などの開発を通じて、21世紀の食糧問題の解決に大きく寄与すると期待されています。
ボクも食べるものがなくなってしまったら困るから、期待したいです。
私たちは今、バイオテクノロジーや遺伝子組み換えの技術のメリットを直接には感じないかもしれません。しかし現実には、今でも世界中で毎日何百万人もの子供が飢えに苦しんでいます。私がその子供たちの親だったら、目の前の荒れ果てた土地に植える穀物があったら植え付けて、子供たちに食べさせたいと思うだろうと思います。
そのとおりです。ボクはまだ親になったことはないけれど、きっと、子供ができたらそう思うと思います。
遺伝子組換えは、このように大きな可能性を秘めている技術です。そして、その技術で生産されたものでも、そうでない食品と同様、安全だと認められないものは、子供たちはもちろん、すべての人が食べることは許されません。このような可能性を秘めた技術を挫折させないため、そして誤った方向に進ませないために、これからも安全性の確認を科学的にしっかりと中立を保ちつつ行って言ってほしいと思います。そして、広く社会に受け入れられるように育っていくのだと思っています。ドクター・タイガー、微力ながらがんばります。
コロクンもがんばって正しく理解できたような気がします。どうもありがとうございました。