人間の手による遺伝子組み換えは約25年前にできるようになりました。その当時の科学者たちは、この技術を使って「フランケンシュタイン」ができてしまうのではないかとか、予想外の悪影響を生物の住む世界のバランス(生態系)におよぼすのではないかとか、大変心配をして、慎重に技術を発展させたんです。
へえ、慎重なんですね。
そうです。科学は正しく使われないと危ないこともありますからね。そこで、遺伝子組み換えの技術の研究開発と同時に、その技術的な安全性や、遺伝子組み換え技術の正しい利用法についてもたくさん研究されました。その積み重ねから、技術の信頼性や安全性が確かめられてきました。
そうなんですね。でも、遺伝子組み換え食品がいきなり世の中に出てきたような気がするのですけれど…。
今では、薬を作るために利用されているのですよ。たとえば、糖尿病の薬であるインシュリンは生物が作るホルモンです。インシュリンを生物から抽出すると、とてもお金がかかります。そこで、酵母などにインシュリン遺伝子を組み換えて大量に作らせて、糖尿病の人が安価にインシュリンを使うことができるようになりました。また成長ホルモンができないために背が伸びない小人症の治療にも、遺伝子組み換えで作らせた成長ホルモンを投与することができるようにもなっているのですよ。
突然出てきた技術ではなかったのですね。安心しました。ところで、遺伝子組み換え食品の安全性に問題があるといっている人たちがいますが、本当はどうなのですか?
いよいよ、遺伝子組み換え食品についての話題の中心、その安全性の話になってきそうですね。その話をする前に、食品の安全性についてどのように考えるのかの一般的な話をしましょう。