どういうふうに遺伝子組換えは行われるのですか?
ここでは、少し細かい話になりますが、実際にはどのように遺伝子組換えが行われるのかを見ていきましょう。細菌から人間に至るまで、すべての生物の性質を決める情報は、DNA(デオキシリボ核酸)と呼ばれるリボンのような物質に入れられていることがわかっています。(核酸についてはこちらで詳しく説明しています。)そして、このDNAは花粉や精子の形で子孫へと伝えられていきます。
DNAは「二重らせん」と呼ばれる構造をしています。二本の長い鎖がお互いに弱くからみ合って、コルクスクリューのように巻いています。鎖は四つの「塩基」と呼ばれる物質、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)からできています。二本の鎖はこれらがAとT、CとGが軽く結合することによってからみ合っているのです。
DNAのリボンは、遺伝子と呼ばれるそれぞれの生き物の性質を子孫に受け継いでゆく情報を載せた部分に別れています。その情報はA,T,C,Gの塩基の並び方によって暗号のように入れられています。遺伝子の大きさにはいろいろあって、小さいものでは100塩基くらいの短いものもありますが、長いものでは1、000以上のものもあります。遺伝子は、DNAの鎖の上に並んだビーズ玉のようですね。このようなDNAは染色体と呼ばれ、何千もの遺伝子が協力しあって、ある生き物を形作っているのです。

さて、本題の遺伝子組換えですね。この技術が開発されたのは今から20から30年程前のことです。まず、最初に開発されたのは染色体の中にあるひとつひとつの遺伝子の場所を探し、それらを取り出してくる技術です。DNAから特定の遺伝子を取り出してくるために発見されたのは、「制限酵素」とよばれる、DNAの特定の場所を切り出すはさみのような酵素でした。そして、切り出されたDNAの断片を元の場所や違うDNAの断片とつなぎあわせる「リガーゼ」と呼ばれる酵素も見つかりました。これで、DNAの切り貼りができるようになったのです。
これで、ある新しい情報を持った遺伝子を切り出して、違う種類の生物に入れて、そのDNAと貼り合わせ、その新しい性質を定着させることができるようになったのです。