遺伝子組換えでできた食品を食べると組み換えた遺伝子の産物が体の中で悪いことをしませんか?

遺伝子組換えは、このヌクレオチドの並べ方を変えたり、新しいヌクレオチドの配列を導入したりする技術であることは、組換えた遺伝子が体の中で悪いことをしませんかの項目で説明しました。

さて、それではDNAからできた産物はどうでしょうか。これらの産物には、オレイン酸の場合にはオレイン酸を作る酵素、また、除草剤に耐性のものには除草剤を分解する酵素があります。これらの酵素は、やはり、私たちがいつも使っている20種類のアミノ酸でできています。そして、私たちが食べても、ほかの栄養源になるたんぱく質と同じようにすぐに分解されてしまいます。

害虫抵抗性の性質を導入する場合には、Btたんぱく質が使われます。このBtたんぱく質は、化学合成品の殺虫剤に代わりにも使われる殺虫性たんぱく質で、環境にやさしい生物農薬として広く受け入れられてきたものです。また、このBtたんぱく質は、殺虫性なのでBt毒素と呼ばれることもありますが、私たちの想像する化学合成された毒素ではありません。私たち人間のように、このたんぱく質が働くための受容体(この受容体たんぱく質にBtたんぱく質が結合して毒性を発揮する)のない生物にとっては、ただ単なるたんぱく質なので、考えてみれば、栄養源の一つです。

そして、これは環境にやさしい生物農薬の特徴のひとつですが、Btたんぱく質は、非常に限られた生物(この場合はトウモロコシの害虫)にのみ毒性を発揮します。チョウチョウがBtたんぱく質を食べて死んだという報告がありましたが、これは、想像を絶する量のBtたんぱく質を、それもBtたんぱく質のみを食べさせられた幼虫の、可哀相な物語でした。

人間でも、いくら体にいいからといってスポーツ飲料ばかり飲まされて、他のものを一切食べさせてもらえなかったら、きっと死んでしまうでしょう。

 

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