遺伝子組換えは安全であるということばかりがかいてあったのですが、危険性はないのですか?ないのならなぜ今、世間では遺伝子組換え技術の安全性が騒がれているのですか?
世間で遺伝子組み換えの安全性を騒いでいるのは、残念ながら科学者ではありません。もっと不幸なことは、騒いでいる人たちほぼ全員が実際に遺伝子を扱う実験すらしたこともないし、遺伝子が何であるかについても、ほとんど知らない人たちです。これらの人たちは、一部の「科学評論家」と呼ばれる人たちの言い分を素直に受け取ってしまっています。この(買ってはいけないの著者のような)「科学評論家」たちは、やはり科学をまともにやったことのない人が多いのですが、科学的データを自分の都合良いようにあやつって、自分の名前を売るような人たちです。(科学的データというものは科学的に使うもので、恣意的に解釈するものではありません。)また、マスコミも、反対する記事や見出しの方が売れるので、そのようなとりあげ方をしてしまうのです。
このような反対運動を支えている団体の多くはいわゆる「消費者団体」と呼ばれる人たちです。消費者団体にもいろいろあって、すばらしい活動をしているところもありますが、「反対のための反対」をしているだけのようなところもあります。遺伝子組換え農作物が「不安だ」から何が何でも「この世からなくせ」ではなく、不安をなくすために「何をしてもらいたい」のか、あるいは、その不安を科学的にわかるように説明してほしいと思います。科学的にではなく、「外国の農作物」だから嫌だというのなら、はっきりとそう言ってほしいと思います。
最も残念だったことは、このような運動が、日本での民間企業の遺伝子組換え農作物の研究開発を遅らせてしまっていることです。「お客様は神様」だから不買運動などの脅しをかけられると腰が引けるのでしょうが、日本のバイオのトップ企業が、自ら研究開発の凍結を宣言してしまったのは、本当に残念でした。不買運動などというひきょうな方法を持ち出す消費者団体は、本当は遺伝子組換えへの反対から活動しているのではなく、ただ、(消費者から搾取する企業という古い構図の中の)対立相手を叩きのめすためだけに、活動しているのかと思います。もし、遺伝子組換え技術の開発を止めさせたいのなら、主力商品ではなく開発に鉾先を向けるべきではないでしょうか。
ひとつ、断わっておきますが、消費者運動というものは、確かに対企業、対政府の勢力として、非常に重要だということは間違いありませんし、ぜひ、しっかりと活動してほしいと思っています。ただ、消費者団体でも、企業でも、政府でも、暴走してほしくない、間違った方向に進んでほしくない、ということを言いたいのです。
さて、遺伝子組換え農作物への反対感情の話に戻りますが、その一部には、主な開発国であるアメリカに対する反発もあるでしょう。ヨーロッパでも反対運動が盛んですが、ヨーロッパでは、自国の農業の保護という面もあります。一般的に言って、ヨーロッパは農業を「文化」として捉えています。さらに、フランス、イタリア、スペインなどの国は、国民生産性の点からも、就業者数からも典型的な農業国です。一方でアメリカは農業を「ビジネス」として捉えます。アメリカからの農産物の輸出攻勢に対してヨーロッパ各国は、それを少しでも阻止するための政治的な道具に、遺伝子組換え農作物を利用しています。ここで、面白いことは、遺伝子組換え農作物を開発している企業は、多国籍企業ですが、ヨーロッパに本社を置いていたり、ヨーロッパで盛んに活動しているものもあります。農作物の生産国がアメリカだというだけなのです。
このホームページでは、作者が(遺伝子組換え技術を悪用しない限り)その基本的な安全性を確信していますので、確かに、安全だということしか書いていません。危険性はありませんが、「リスク」はありますので、この点については、遺伝子組換えの安全性を、もう少し身近なたとえで教えて下さいをご覧下さい。