遺伝子組換えは何となく不安なのですが…

いろいろなアンケート調査の結果を見ても、多くの人たちが遺伝子組換えの技術や、それによって作られる物について、漠然とした不安感を持っていることが示されています。多くの場合は、『除草剤耐性や害虫に抵抗性の農作物なんて気持ち悪い』とか『遺伝子組換えってクローン人間を作るのと同じ技術でしょ、気持ち悪い』というようなものではないでしょうか。

組換えに用いる除草剤耐性は、除草剤を分解する酵素で、除草剤を分解する作用はありますが、人間には毒にも薬にもなりません。害虫抵抗性は、害虫のお腹の中で害虫を殺す働きをしますが、やはり、人間には毒にも薬にもなりません。両方とも、塩漬けの『塩』と同じで、食品に起こる害を防ぐ作用はありますが、これらの食品を食べる私たちにとって、通常の常識の範囲内であれば害はありません。

クローン人間を作る技術と同じだという議論については、バイオテクノロジーとしてひとからげにして考えれば、確かにその通りです。そのように捉えている場合でも、みなさんが気持ち悪いと思うのは、作り出される『クローン人間』そのものに対してでしょう。確かにクローン人間が作り出されてしまうことは、今の時点では許されることではないと思います。原子物理学が私たちの歴史に原子爆弾として汚点を残したのと同様、バイオの技術がクローン人間作りに使われることないよう、注意を払っていくことが必要だと思います。

ただし、バイオテクノロジー自体に罪はありません。爆弾作りに使われるかも知れないからと言って原子物理学の研究や応用を禁止してしまうことが、乱暴な理論であるのと同じく、クローン人間を作る危険があるからバイオテクノロジーの研究を止めてしまえというのは乱暴な理論です。

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