ハンセン病は結核菌の(遠い)親戚に当たるマイコバクテリウム・レプラに感染することによって起こることが知られています。この事実を発見したのは1873年、ノルウェーのハンセンでした。(でも、この菌は人工的に培養することが今だにできていません。)このことがわかるまで、不治の恐ろしい伝染病としてハンセン病患者はさまざまないわれのない迫害を受けてきました。今では、いくつかの化学薬剤を同時に投与する多剤併用療法を施すことによって、普通の病気と同じように治療がされるようになりました。ですから、もう不要に恐れることはないのです。また、遺伝病でもないので、患者を差別したり、隔離したりする理由も根拠もまったく無いのです。実際、患者の隔離を決めていた「らい予防法」も1996年4月に廃止されました。
さて、このハンセン病の病原菌ですが、感染能力は決して高いほうではありません。むしろ、感染力は弱いと言ってよいでしょう。そして、必ずしも感染した人が発病する訳ではありません。その理由ははっきりとはわかっていませんが、発病する人もしない人も感染した菌の種類はまったく同じです。発病かしないかを分ける原因にはいくつか考えられています。たとえば、菌の感染経路の違い、以前に結核にかかったことがあるかないか、あるいは何回か感染したか、などです。もし興味があればWHOのホームページ(http://www.who.ch/programmes/lep/bio1.htm)に(英語ですが)詳しい解説が載っています。