微生物を工業的に利用するときには、どのように準備するのですか? −微生物の純粋分離と種培養

植物を育てるときに最初にすることは何でしょう?まず、種を蒔きます。動物の場合には、卵や赤ちゃんから育てます。微生物を育てる場合にも「種」を作ります。特に、微生物を産業的に利用するときには、一匹一匹の微生物から出発して育てるのではなく、ある程度の数まであらかじめ増やしておいた「種培養」を使います。微生物を利用するときには、目的の微生物の働きを利用するのですが、一匹一匹の微生物の持っている力は、体が小さいので、とても限られています。種培養で、何億、何兆もの数の微生物を塊として作っておけば、この種培養を用いることによって、それを植えた後、すぐに微生物の能力をフルに引き出すことができます。

種培養に限ったことではありませんが、微生物の培養の方法には、いくつかの方法があります。一つは、「固体培養」と呼ばれる方法で、微生物、特にカビなどをいろいろな固体の表面に生やすやり方です。この「固体」としては、必要な栄養成分を含んだ培養液に寒天などで固めた固体培地も用いられますし、蒸した米や豆などの表面に生やすこともあります。蒸した米や豆の表面にコウジカビを生やした「種培養」は、酒や味噌を作るときに使われる麹です。

液体の中で増やして種培養を作ることもあります。必要な栄養素を溶かした培地の中に植え付けて、まず、その培地の中で充分に利用する微生物を増やしておきます。このように増やしておけば、増えてきた微生物が本当に目的の微生物で、間違った微生物が外から入り込んだものではないことを確かめることもできます。

順序が逆になりましたけれど、この「種培養」に使う微生物が、目的の物であることを確認するために行う「純粋分離」の方法を簡単に説明しましょう。まず、保存しておいた微生物を、寒天で固めた寒天培地の上に蒔きます。または、白金耳(白金でできた針金が先端に付いた棒、いまではあらかじめ滅菌されたプラスチックのものも使われる)で寒天培地上に延ばしていきます。そして、ちょうど、一匹一匹が分かれて生えてきた、純粋に分離された塊(コロニーと呼んでいます)から白金耳で釣り上げて先ほどの固体や液体培地の中に植え付けます。

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