微生物は私たちの生活とどのように関わっているのですか?
私たちは、生活の中のいろいろな面で微生物とかかわりを持っています。簡単に見てみましょう。
きっと、子供の頃、幼稚園の先生や母親などから「外から帰ってきたら必ず手を洗いなさい!」と言われたことがあるでしょう。ほとんどの人が、微生物というとまずバイ菌を思い浮かべるのはそのせいです。しかし、実際には病原性となる微生物の種類はほとんどないと言っていいです。かと言って、母親や先生の言葉が間違いという訳ではありません。私たちの食べ物には意外と多数の微生物が付着しているものです。また、特に子供はベタベタと何にでも触ったり、泥んこ遊びをしたりするので、いろいろな微生物を運んできます。
牛乳が腐る、パンにカビが生える、植物の茎が腐る。これらはみな、微生物のせいです。パスツールが微生物と腐敗の関係を明らかにしてから、微生物はこのような好ましくない働きをするものとして認識されてきました。だが、もしこのような腐敗を起こす微生物がこの世に存在しなかったらどうなってしまうのでしょう。いつまでも生ごみは腐らないし、秋の落ち葉は次の年になっても分解されずに、地面にうず高く積もったままになってしまします。私たちの排泄物も、処理されずにいつまでも身の回りにたまっていくばかり。だから、腐敗を起こすバイ菌を忌み嫌うことはないのですが、やはり食品の衛生ということを考えれば、腐敗は避けたいものですね。さて、私たちにとって問題になっている腐敗といえば食品の腐敗。腐敗に関与している因子はいくつかあります。
「食品の性質」
pH 酸性のものにはカビや酵母が生えやすいです。でもとても酸性が強くなると普通の微生物は生えることができません。たとえば、とても酸っぱい梅干しはその酸性で微生物の生育を阻止する保存剤の役目を果たしています。日の丸弁当や梅干しのおにぎりは食品が悪くならないための生活の知恵なのです。
水分 パンなどの乾燥している食品にもカビが生えます。
栄養源 当然、栄養豊富で人間においしいものは、微生物にとっても格好の食べ物です。
「環境」
温度 冷蔵庫で食品を保存するのは、微生物が生える速度を遅くする(微生物を殺す訳ではない)ためです。だから、一度冷蔵庫から出した食品はなるべく早く食べてしまいましょう。
湿気 カビは乾燥している食品にも生えるが、ほとんどの微生物は水分を要求します。魚などを干物にして貯蔵するのは、水分を減らして微生物による腐敗を防いだ生活の知恵だったのです。
塩分 普通の腐敗菌はあまり塩気の多いところには生えてきません。だか塩漬けにして食品を保存したのです。しかし、微生物の仲間にはもうこれ以上溶けないというほどの濃い食塩の中でも盛んに生育する風変わりなものもいます。
酸素の存在 微生物の種類によって、カビのように酸素を絶対に必要とするものから、食中毒を起こすボツリヌス菌のように酸素に触れると死んでしまうものもいます。
