窒素固定をする微生物について教えて下さい。

私たちが農作物や草花を育てるときに使われる肥料には窒素、リン酸、カリの「三大成分」が含まれています。この三大成分の内の窒素は、地球の大気の約8割を占める元素でもあります。大気中の窒素(窒素分子)は窒素原子が2個つながったものです。原子と分子の関係は分子って何ですか(メタンを例に)?見てください。窒素は手を3つ持っています。その3つの手をそれぞれつなぎあって一つの窒素分子を作っているのです。この窒素分子は、とても安定な分子です。安定であるということは、壊れにくいし、他の分子と反応しにくいということです。つまり、他の物(分子)に変わりにくいし、他のもっと利用しやすい形に変換しにくいということです。植物は窒素をアンモニアの形で利用します。今現在、アンモニアを気体の窒素から工業的に製造する方法は、発明者の名前をとってハーバー法と呼ばれる方法です。この方法では、気体の窒素を高圧、高温(摂氏400度)で、鉄を触媒として水素と反応させて作ります。これくらい苛酷な条件で反応させないと、安定な窒素分子は他の形に変化しないのです。

この反応は、気体の窒素を液体や固体に「固定」するという意味で窒素固定と呼ばれています。この反応を窒素固定微生物は酵素を使って、もっとずっとマイルドな条件で行なっています。たとえば水田でイネを育てるときには、実はほとんど窒素肥料を使いません。ラン藻と呼ばれる微細な藻が空気中(多くの場合には水田の水に溶けた)窒素を固定しています。イネはそれを栄養として利用しているのです。

ラン藻よりもっと小さい細菌にも、窒素を固定するものがあります。そのうちの一種類はマメ科の植物の根に入り込み、一緒に暮らすものです。この際には、マメ科の植物はこの窒素固定細菌から栄養をもらい、安全な窒素固定細菌はすみかをもらう、ギブアンドテイクの関係である「共生関係」が成り立っています。畑では、ダイズなどのマメ科の植物を小麦などの他の農作物と交互に植えることによって、窒素固定細菌を利用して、土地の肥沃さを保つことが行われます。窒素固定細菌の中には共生しないで、土の中で自由に暮らす仲間もいます。

アンモニアに「固定」された窒素は、異なる微生物の働きによってさらに亜硝酸に、そして硝酸に、さらには窒素分子に変換(脱窒と呼ばれます)されて、窒素は空気中に戻っていきます。これが、微生物の関わる地球規模の窒素循環です。窒素の循環としてはメタンなどの物質にも変化していきます。これについては、メタン等の可燃性ガスを生産する微生物はどのようなものがあるのでしょうか?を見てみて下さい。

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