ホルモンとは何ですか?

ホルモンとはいろいろなところで使われている言葉です。一般的なものは人間などの動物が作るもので、男の子や女の子がそれぞれ男らしく、女らしくなるために必要な性ホルモンや、体内の糖代謝を調節するインシュリンなどの動物ホルモンがあります。そのほかにも、茎を太陽の方向に、根を重力の方向に向かせるために必要な植物が作る植物ホルモンもあります。最近では用語として正しいかは疑問ですが「環境ホルモン」と呼ばれるものもあります。

さて、ホルモンとは実はどのような物質なのでしょうか。ホルモンとは「体内の特定の器官で生産されて、そのホルモンが作用する別の特定の器官に運ばれ、そこで微量で働きを現す物質」です。たとえば女性の排卵や母乳の分泌の調節をするプロラクチンなどのホルモンは脳にある下垂体と呼ばれる器官で生産されて、卵巣や乳腺で働きます。

動物ホルモンは、体のいろいろな機能の調節を通じて、体全体がバランスの良い状態を保つようにしています。体のバランスをより細かくベストに保つため、ホルモンの中には反対の作用を示すものを作ってそのバランスを取っているものがあります。たとえば、体内の糖代謝を調節するために、糖の分解を抑えて血液の中の糖濃度を下げるインシュリンと反対の作用をするグルカゴンと呼ばれるホルモンが両方ともすい臓で作られます。そして、この二つのホルモンの量を調節しているのが、ソマトスタチンと呼ばれるさらにもうひとつのホルモンです。個々の動物ホルモンの名前や生産する器官、働きなどは、いろいろな本に紹介されていますので、ここでは細かく説明しません。

植物は、やはり環境の変化に応じて自身が適応をするため、体内でいろいろな物質を作っています。初めて発見された植物ホルモンはオーキシンと呼ばれるものでした。オーキシンは芽生えたばかりのオート麦の茎の先端部分で作られて、茎を下に向かって運ばれ、茎を伸ばすために細胞が増えている部分で働きます。この他にも、やはり成長細胞の分裂を調節するジベレリンやサイトカイニン、アブシジン酸といった物質や、りんごやバナナなどの果実の成熟を早めるエチレンなどが知られています。

さて環境ホルモンですが、この言葉は環境中に人間が放出した化学物質のうち、微量で生物の内分泌機能を狂わせるものと言う意味の「内分泌かく乱物質」に付けられたいわばあだ名です。この内分泌かく乱物質の作用が、内分泌をかき乱すために主にその生殖機能に影響を及ぼしている(多くの環境ホルモンの作用はオスがメスの特徴を示すようになる)ことから「環境」中に存在する「ホルモン」様物質ということで名づけられたのでしょう。当然、環境はホルモンを生産しませんので、あまり正しい名前だとは思えません。この正しくない名前が広まったのは、「内分泌かく乱物質」には見向きもしなかったマスコミが「環境ホルモン」と呼ばれたとたんにこの言葉に飛びついてしまったのでしょう。

ホルモンが自分自身の体のために働くのに対し、ほかの相手に向かって作用する物質をフェロモンといいます。

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