細菌の接合とは何ですか?

生物は遺伝子の中に自分自身の性質や働きを決める情報を持っていることはすでにほかの項目でお話しました。どの生物の遺伝子も、進化をしてきた間にすべての生物共通の祖先から変化をしてきたものです。その変化は突然変異や遺伝的な組み換えや導入によって生まれます。遺伝子のバラエティを増やし、遺伝的な多様性を高めて、いろいろな生物を作ってきた過程が進化だといえます。

突然変異は自然に、あるいはいろいろな環境の状況やストレスによって起こります。一方で遺伝的な組み換え、導入は主に生物の生殖行動によって行われてきました。言い換えればオスとメスが子供を作り遺伝子を組み換えることがその基本的なやり方です。

細菌のような生物にはオスもメスもありませんが、大腸菌にはF因子と呼ばれる遺伝子を持つ菌と、持たない菌があることがわかりました。この二種類の大腸菌がお互いに近づくと管が伸びてお互いを近づけあい、F因子を持つ菌からF因子がその管を通して持たない菌に移ります。これを接合と呼びます。F因子を移された菌は、今度はF因子を持つ菌としてほかの大腸菌にF因子を移していくことができるようになります。このF因子を持っている菌と持っていない菌がちょうど性を持つ生物のオスとメスの原始的な形であると考えられています。そして、このようなF因子の移動は原始的な生殖行動と考えられています。

このF因子はプラスミドと呼ばれる染色体ではない小さなDNA分子として存在しています。また、接合によってF因子が移動するときには、30から100の遺伝子が伝達されます。この同時に伝達される遺伝子によって、細菌での遺伝的な多様性を増やす(つまり進化させる)ことになり、細菌の進化に大きな役割を果たしているとも考えられます。

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