BSE(いわゆる狂牛病)について教えて下さい。

狂牛病の正式名称は牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy, BSE)です。脳の組織がスポンジ状になって、立ち上がったり、歩いたりすることができなくなってしまいます。そのような症状が出ると、2週間から6カ月で死んでしまいます。

牛海綿状脳症(BSE)の原因は十分に解明されていませんが、最近、最も受け入れられつつあるのは、プリオンという通常の細胞タンパクが異常化したものを原因とする考え方です。この異常化したプリオンは、たとえば121度、1時間の処理などをしなければ壊れません。煮込むなど、通常の加熱調理等では不活化されないことが知られています。

このBSEが大きな問題になったのは、人間で歩くことがむずかしくなったり、痴呆などの症状が出る「新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」という長い名前の病気が、BSEにかかった牛の「何か」を食べたからうつったのではないか?と疑われたからです。ただし、この人間の病気がBSEの牛を食べたから起こったという100%確かな科学的な証拠はありません

これまで、この新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病と呼ばれる病気はヨーロッパで起こり、イギリスで80人以上、フランスで2人の死亡が確認されました。そのため96年のイギリスでの狂牛病の大発生では、イギリスだけでなく、ヨーロッパ中が大混乱に陥ったのです。

しかしながら、牛肉のすべてが危険というわけではありません。危険部位とされるのは牛の脳やせき髄、回腸など、ごく一部の部位です。たとえば牛乳は全く問題ないとされています。

さらに牛のBSEによる死亡数に比べて人間の新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の感染数はごく少数です。イギリスの場合では、180万頭以上の牛が感染しているのにもかかわず、人の新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病はたったの100人です。

だから、本当に怖いのはパニックに陥って牛肉すべてを危険とみなすような「風評被害」だという声もあります。

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