微生物の名前はどう付けるのですか?

コロクンは、飼い主さんからこの名前をもらってうれしいです。もともとは、違う名前だったらしいのですが・・・サムくんっていったらしいです。けれど、コロっていう方が、似合ってるって、飼い主さんが心をこめてつけてくれた名前なんです。ところで、微生物はどういう封に名前をつけてもらってるんですか?

コロクンはいい名前をもらってよかったですね。微生物の名前は、その形や構造、性質をもとに付けられていますよ。一つひとつの微生物の名前を付けるために使われる性質や構造には、たとえば、球状やソーセージ状といった形や、寒天培地の上に生やしたときの生え方、グラム染色という特殊な染色法によって細菌を染めて確かめる細胞の表面の構造、いろいろな栄養素の使われ方などがあります。そのような性質の違いをもとに、名前を付けているのですよ。

微生物は、名札をつけたりしないから、そういう性質や形の違いをもとに区別をするのですね。

最近では、微生物どうしがどれくらい似ているのかを遺伝情報を乗せているDNAの構造から調べることも行われています。人間では家族のDNAがお互いに良く似ているのと同じで、つながりの深い微生物どうしは、たとえ見かけや性質が多少違っていても、遺伝的には似ていることをDNAの構造から知ることができます。

コロクンはDNAがないから、そういう区別ができないのですけど・・・。困ったなぁ。今度、飼い主さんにDNAを作ってもらおう!

コロクン、いくら飼い主さんでもコロクンにDNAを造ってあげることはできないかもしれませんよ。コロクンはそんなことをしなくても、すでにコロクンであることをだれも疑問に思わないから、心配しないでも大丈夫ですよ。

そうですね。コロクンを見れば、だれでも間違えるはずがないから!ところで、実際の微生物の名前はどのようなものなんですか?「コロクン」っていうような感じなのかなぁ?苗字と名前があるのかなぁ。

微生物の名前は、18世紀にリンネという人が発明した二名法と呼ばれる方法で付けられます。人間の姓と名のように、よりおおまかに分けたときの名前を最初に、より細かい性質で分けたときの名前を次に付けます。より細かく分けた名前を付けたいときには、さらに名前を後ろにつけることもあります。

ちゃんと、苗字と名前があるんだぁ!いいなぁ・・・。ぼくも苗字は飼い主さんといっしょにしてもらおう!

微生物の中で、細菌か原生動物か真菌か藻類かは、わざわざ名前を付けなくてもわかるので名前には含みません。人間の「姓」にあたる一つ目の名前は「属」の名前と呼ばれますが、多くの場合は比較的簡単な観察や試験で分けられる性質をもとに付けられています。たとえば、酸素を成育に必要とし、胞子を作り、グラム染色で表層が良く染まるソーセージ状の細菌の仲間に「バチルス」と呼ばれる属があります。

へぇ、けっこう、かっこいい名前がついているんですね。バチルス・・・って、ちょっとかっこいい。

そうですね。名前に使われている言葉は、もともとラテン語の言葉なんです。バチルスっていうのは、棒状の・・・っていう意味合いがあるんですよ。さて、バチルスの仲間には納豆を作るために使われる納豆菌がありますが、炭疽病菌や食中毒を起こすセレウス菌も含まれます。これらのバチルス属の仲間には、お互いを区別するために、それぞれ異なる二つ目の名前を下の表のような「種」の名前として付けられています。

コロクンはこの世界にたったひとつだから、名前はふたつの組み合わせであらわさなくてもいいんですね。

また、特に目立った特徴があったり、人間に役に立ったり有害だったりする微生物には、一般名がつけられているものがあります。納豆菌、炭疽病菌などはそのような一般名です。微生物の性質をもとに名前を付けられている場合には、異なる属や種に属する微生物が同じ性質をあらわすことがあるので、必ずしも生物学的な名前と一般名は1対1の対応をしているわけではありません。そのような一般名には、たとえば比較的高い温度で生育する好熱菌や、低温を好む低温菌があります。

これは、ニックネームみたいですね。こういうふうについている名前のほうが、親しみが湧きます。どういう微生物なのか、聞いただけでわかるし・・・。どういう名前がついている微生物がいるのかなぁ?

それでは、表にしてみますね。

表 属と種の名前

一般名

バルチス

ナットー

納豆菌

 

セレウス

セレウス菌

 

アンスラシス

炭疽病菌

クロストリジウム

テタニ

破傷風菌

 

ボツリナム

ボツリヌス菌

シュードモナス

エルギノーサ

緑膿菌

 

 

低温菌

この次は、どれくらいの微生物がいるのかを、実験室で観察する方法をお話しますね。

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