分裂という方法で分かれると、どっちが子供でどっちが親だかわからないから、老化するとか古くなるっていう考え方は当てはまらない、すなわち寿命はない・・・のですよね。ということは、大腸菌のような生物は無限に増え続けるのでしょうか?
前の項目で説明したとおり、細胞としての微生物には寿命がないと言えます。
分裂で自分の複製をいっぱい作っていくのですね。
この栄養成分が絶えず新しく供給され続けるのか、供給に限界があるのかが、集団に寿命ができるかどうかを左右します。たとえば、人間の大腸の中では絶えず私たちが食事をしてお腹に入れた栄養成分のおこぼれがやってくるので不足することはないのですが、他の場所では、限られた量の栄養成分しか存在しないところもあります。このような場所では、そこに存在する栄養を利用し尽くすとそれで、増殖がストップして、集団としての寿命を迎えるのです。
栄養がどれくらいあるかが、微生物の集団の寿命を決めるのですね。
たとえば、人間が栄養分を入れた液体の培地をフラスコのような器の中に調整して、そこに微生物をほんの少量入れて培養を始めた場合を考えてみましょう。
まず、培地に入れられた微生物が、その培地や培養の条件になじんで適切な増殖を始めるまでの準備期があります。培地の栄養分や、培養温度などの条件や微生物の種類によって、何時間程度から何日間を要するものまで、その長さはまちまちです。
ふむふむ・・・準備、準備!
微生物が分裂を始めると、1個が2個になり、2個が4個になり、さらに、8、16、32、64、128、256・・・と、倍々に増殖を始めます。このように倍々に増殖していく時期を対数増殖期といいます。このグラフでは、増え方が一定のように見えますが、これは一つの目盛りが10倍ずつを表す「対数」目盛りを使っているので、そのように見えるのです。

対数増殖?そうか、どんどんと増えるスピードが速くなるんだね。ネズミ算みたい。どんどん、増えていくんだ。
さて、そのように爆発的に微生物の数が増えていくと、培地の中の栄養素が食べ尽くされていき、排泄物もたまっていきます。そうなると、栄養不足と排泄物の毒性で、その培地から逃げ出すことのできない微生物が死に始めます。微生物の増殖のスピードが遅くなり、死んでいく数が増えていくと定常期を迎えます。
さらに死滅のスピードが速くなり、栄養素がないために新しい増殖も起こらなくなると、死滅期になり、微生物の数は急速に減っていきます。そしてこの「集団」としての微生物は死を迎えるのです。
栄養素がなくなったときが、寿命・・・なんですね。
なんとなく、地球という環境から逃げ出せない人間が野放図な増殖を続けた際の未来を予言しているようにも見えませんか?
資源を大事にしないといけないっていうことですね。