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【足の衰え】
ゴルフ場で判った足の機能低下

吾輩の主人はゴルフを趣味としていた。始めたのは昭和34年(1959年)ぐらいで、歴史の古さを誇っているが、正直言ってあまり上達していない。本人は「ゴルフを始めて1年目、これから上手くなるという大切な時期に急性肝炎に罹り、ほぼ一年間ドクターストップがかかったので、上達もストップしてしまった。」と言い訳をする。
雨が降るとゴルフコースに水たまりができる。幅70センチほどのカジュアル・ウォーター。これぐらいならわけなく飛び越せるだろうとジャンプを試みた主人は力足らずで、水たまりの中に足を落としてしまった。「エッ何で」という仕種がなんとも面白く、回りの人が大笑いしたので、吾輩もつられて吹き出してしまった。
地上30センチあまりのところに施設されているカート用の鉄レールに足をひっかけて、「俺も歳だなぁ」と呟いているのを聞いたこともある。とにかく頭で考えている半分ほどしか体が動いていないのだ。
パートナーと一緒に歩いていても、いつの間にか遅れてしまう。どん尻を歩いているのは決まって吾輩の主人だ。
キャディーさんが気の毒に思って、「カートに乗りませんか」と声をかけてくれることもあったという。業界のコンペティションが行われた時に一生懸命に歩いてもどうしても遅れをとるので、主人は同伴者に
「僕の歩き方はおかしいですか」と聞いたらしい。「歩幅が狭くなり、すり足で、ちょこちょこ歩きになっていますよ」がその返事であった。
主人が大きなショックを受けたのは、それからしばらくしてのことだ。後続のパーティーから左足のスパイクを引きずってグリーンに傷がついているので、歩き方に注意するようにとクレームを受けた。
「このままゴルフを続けていればクラブにも、メンバーにも迷惑をかける」と、主人は早速倶楽部に休会届を出した。
ゴルフ仲間とコースで「年をとってもゴルフだけは続けようね」と語り合っていたのも夢物語になってしまったと嘆くことしきり。
ゴルフを生き甲斐の一つとしていた主人の話はまだ続く。ゴルフをしていて体に変調を感じたのは、あと1ホールか2ホールでプレーが終了する16,17ホールにさしかかると、疲れが出てくるのか、ヤレヤレと思う気持ちが筋肉に伝わるのか、決まって「こむら返り」が起こる。大抵の場合は少し休んだり、足をもんでいると治ってしまうが、どうにも辛抱できず棄権して、敗残兵のようなぶざまな格好でクラブハウスへご帰還になったこともあったという。
灼熱の太陽が照りつける夏のプレーでは、各ホールごとに水分も補給している。
それでも家に帰ると喉が乾いて、何杯もの水やお茶を飲んだ。何をしても身体の火照りは消えない。主人は高校時代に罹った日射病の後遺症だと思っているが、これも吾輩の悪golf戯の一つだと思う。
疲労感がなかなか抜けないのも主人の悩みである。あくる日に疲れが持ち越される。特に足の筋肉に取りついた乳酸が3日も4日も残っているような感じで、足がだるい。

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