吾輩の主人は京都の宇多野病院へは二年半ほど通院した。京都市といえども北のはずれ、映画村で有名になった太秦の少し北側、当時は箕面に住まいがあったから、車で二時間以上かかった。主人は渋滞の少ない裏道、抜け道が載っている特殊な地図を購入して、いろいろなコースを走行してみたが、どこかで渋滞に巻き込まれ、到着時間にはさほど変化はなかった。雨の日もあれば、雪も降る。病院から帰って会社へ出勤するので疲れ果ててしまうらしい。主人は主治医の久野先生に実情を話をした。「そういうことなら近くの病院を紹介しましょう」と快諾していただいた。
同じ国立療養所で伊丹空港の近く、蛍池にある刀根山病院の神経内科医・姜進先生(現在は改名して、神野進先生)のもとを訪ねるようにと、丁寧な紹介状を書いてもらった。神経内科の学会などで会う機会も多く、優秀な先生だから安心してかかるようにとのコメントがついていた。
ここなら交通渋滞に巻き込まれることもなく、京都の病院へ通う三分の一か、四分の一の時間で到着する。平成6年(1994年)9月のことである。
刀根山病院は神経筋難病の診療や臨床研究を精力的に行い、その成果を学会や厚生省研究班で公表している。現状での外来新患者数は毎年約350名程度、神経筋難病以外でも、末梢神経疾患、脳血管疾患、頭痛等で多くの患者が診察のために来院する。
神経内科の医師数は6名(うち1名はレジデント)で、神経疾患病棟50床と筋ジストロフィー病棟80床、計130床の運営を担当している。入院件数は約500件のうち、神経難病は250件、筋ジストロフィーは150件で、政策医療 に特化した診療実績をあげている。
多くの患者が集まってくると病気についての広範囲な情報が集まってくる。学会に出席したり、臨床結果を発表したりで、さらに情報の輪が広がっていく。患者にとっては頼もしい存在だ。
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