I am a Parkinson's
Disease
目 次
SINCE 2001.10.1
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| 【未来治療】 |
| 遺伝子治療への期待と不安 |
パーキンソンは現在のところ治療法が判らない難病の1つとされているが、病因、病気の発生メカニズム解明のための研究は精力的に続けられ、効果の優れた薬が開発されている。遺伝子治療も動物実験レベルでは最終的な段階に突入しているといわれている。 身を隠すことが上手いと定評のあった吾輩だが、1枚、2枚とカバーはがされ、やがて全貌が明らかになる日はそんなに遠くないものと覚悟を決めている。 敵対関係にある吾輩が云うのもおかしなことだが、遺伝子の組み替えについては、大豆やジャガイモでも安全性が保証されないと、社会問題となった。 まして人体、その中でも一番大切な脳の治療だけに慎重の上にも慎重に事を運ぶ必要がある。遺伝子を操作するということは神の領域に足を踏み入れることになる。人間社会の勝手な論理だけで、神の分野に踏み込んでいくと、手痛いしっぺ返しを食うことになるだろう。 新しい情報を持った遺伝子を脳の内部に運び込むには「ベクター」という気運び屋が必要だ。脳の中に入れても安全で効率の良いベクターを見付けださなければならない。 しかし、遺伝子治療に最後の期待を寄せている難病も少なくない。吾輩・パーキンソンもその内の一つといわれている。
読売新聞の報道では、札幌医科大学の本望(ほんもう)修先生が遺体の脳から、脳の様々な神経細胞を作り出す能力を持つ「神経幹細胞」を取り出して、培養することに成功したそうだ。 採取した神経細胞中から幹細胞を分離し、培養した細胞を、脳梗塞やせき髄損傷を起こさせたサルやマウスに移植したところ、症状に改善が見られたという。 吾輩が懸命になって殺した神経細胞を別の死んでしまった人の脳から取り出して、パーキンソン病や脳梗塞(こうそく)など、神経細胞の機能が失われることによって起こる病気の治療に役立てようというもので、人間様が好んで使う「スクラップ&ビルド」というヤツである。永年の間に少しずつ地道な仕事をしてきた吾輩らの仕事を、一気に修復しようと云うのだから、吾輩の居場所が無くなるのではないかという不安感に悩まされている。今度はこちらが「鬱病」になりそうだ。
吾輩はガンのように急激に病状を悪化させることはない。吾輩が身体にとりついてから重症に至るには15〜20年の期間がある。しかも、吾輩は殺人を犯すほどの悪者ではない。大抵は風邪をこじらせて肺炎に罹るなど、併発症が直接の死因となっている。 新しい治療法が完成し、 これを応用して吾輩ら正面から挑戦を挑むなら、いさぎよく応じようと考えいる。体内ですさまじいばかりの戦いが行われる。それに耐えうる体力を温存しておかなければせっかくの新技術を応用しての治療が受けられなくなる。 では、お大事に。
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