『承章〜その1〜』

その後いったいどの位の年月が流れたであろうか・・・?日々精進を続けるLee n。彼女は夢に向かってひたすらに駆け続けた。 「あ〜、はいはい。大仰なモノローグはいらないからあっち行って。」 そ、そんな。仮にも創造主に向かって何つ〜物言い・・・ 「だ〜れが『創造主』よ、あんたせいぜい『想像主』じゃない。」 ぐさっ。 「大体始めたばかりで狩り場も解らないまま遠出して、いったい何回私を無駄に あの世に送ったか覚えてんの?」 ざくっ 「そもそもあんた最初は私の事かなり蔑ろにしてたじゃない。ちゃ〜んと知って んだからね!」 ぐふうっ、そ、それはそもそも貴方は2ndキャラさんだったからで・・・ 「言い訳無用!今じゃ主役は私なんだかね!!解ったら無能な想像主はとっとと 退場!!」 しくしくしく・・・ 「あ〜、まったく。未練がましいったらありゃしない。・・・あ、あらやだ。も う始まってるのね・・・。」 こほん。 ようやく冒険者としての生活が板に付きだした私だったけど、一度始めてしまえ ばこの生活は案外と私に合ってるって事に気が付くのにそう時間はかからなかっ た。勿論不便な事は幾らもあるけど(特に身支度は、ね)その代わりこの生活に は町では味わえないスリルと開放感がある。 「わっ、ちょっ、一寸たんま。やめて、それ駄目、あっ、あっ、あ〜〜!!」 ばきぃ!! 「きゃああぁぁぁ・・・・・」 暗転 ・・・ね、スリルと生からの開放感満点。 「はぁ〜、じゃ回収に行きますか・・・。」 今日も元気だ空気が旨い。後はこの全身に感じる寒気さえなければ良い日なのに ねえ・・・ 「へくちんっ!うう、あんなぼろい布の服でも無いと寒いわね〜。」 今日も元気にGraterFaydwerを裸で(あ、最低限隠す所は隠してるわよ。○理協 会が五月蠅いからね(?))突っ走る私。 「でも、そろそろ狩り場を変える時期かしら・・・?」 走りながら私はここ数日のことを思い返していた。 *                *                 * 「きゅぅ〜〜〜!!」 へなっ。 「きゅきゅ〜〜!!」 ぺちゃ。 「きゅう・・・」 ぶちぶちぶち・・・。 私は機械的に足下に転がったスカンクをばらしながらぼ〜っと考え込んでた。 (・・・つまんない・・・。) 「エルフナンカ死ンデシマエ!!」 ぱかっ、ぱかっ。 (確かにそこそこ儲かるし、まだ一応学ぶ所も無い訳じゃない。) ぺきっ、ぺきっ。 (でも、本当にこんな事で私は満足なの?) 「オイコラ。」 ぽくっ、ぽくっ。 (私は夢を叶える為にドルイドになったんじゃなかったの?あの幼い頃の夢を叶 える、それだけの為に養父(とう)さん、養母(かあ)さんに逆らってこの道を 選んだんじゃない。) 「アノ〜・・・」 つんつん。 (そうよ!私は常に挑戦し続けなきゃ行けないんだわ!!こんな所でちんまり安 定して満足しちゃ駄目!!それじゃいつまで経っても飛躍は無いのよ!!!) 「モシモシ??」 「何よ?今せっかく浸ってるんだから・・・?」 辿々しい共通語と肩をつつく手の感触に、私は後ろを振り返る。するとそこには 何とも言えない表情のゴブリンが一匹立っていた。 「きゃ〜〜〜〜?!」 そのあまりと言えばあまりの距離にいたゴブリンを認識するやいなや、私の喉か らは悲鳴が、そして右手からは棍棒が繰り出される。 どごしっ!! 「ピギャッ!!」 私の一撃を真っ向から顔面で受け止めたゴブリンは、声にならない声を上げてそ の場に突っ伏した。 「いっ、いきなりどアップで迫るんじゃないわよ!!」 私はばくばくいってる心臓を宥めながら足下に転がったゴブリンに向かって吐き 捨てるが、そもそも今の私の一撃をこの辺りにいる雑魚ゴブリンが食らって生き ている訳もない。それはもう完全無欠に顔面血まみれで死んでいるゴブリンから は、勿論答えは無かった。 「全くもうなんだって言うのよ?せっかく良い所だったのに・・・。」 ぶつぶつ言いつつ、もはや習慣となった手つきでゴブリンを逆さにし、持ち合わ せの小銭を巻き上げる私。 「なによぉ、これしか持ってないんだったらどっか他行って欲しいわね。」 まさに雀の涙(2CP)の小銭を巻き上げて、その場を立ち去ろうとゴブリンの死 体を投げ出して、踵を返しかけた時、ふとそのゴブリンの手が目に留まった。 「・・・」 その手は固く握りしめられており、ただその中で親指だけがぴょこんと垂直に立 っていたのだ。 「・・・ok?」 ぽつりと呟いた私の目には、その時確かに躯となったゴブリンが満足げに頷いた 様に見えていた・・・。 *                 *                * (・・・なんか妙な事まで思い出しちゃったわね。結局あのゴブリン、何が言い たかったんだろう・・・?じゃなくて。) そう、今や私もギルドの認定する立派な8レベルドルイドとなり、いい加減BBM では経験値の入手が難しいと言うのが問題なのだ。かといってどこか他に行く宛 があるのかというと? 「・・・道知らないもん。」 そんな訳で渋々BBMに住み着いていたのだが、いい加減これは限界に近い様な気 がする今日この頃・・・。 となれば、嫌でも何でもお散歩決定(苦笑)本当はドルイドらしくお散歩はSoW (splite of wolf=狼魂?(爆)誰がなんと言おうと私的にはドルイドの最強 スペル。通常移動の速度を(最終的に)2.5倍程に上げる。14レベルで習得可能。) をマスターしてからにしようとか思っていたのだけど、こう成長効率が悪くちゃ嫌 も応も無い。 「こうなったら腹を括って逝って上げようじゃないの!!」 (・・・字が違う。) なんか幸先不安な物を抱えながらとりあえず自分の死体を漁り、先ほどの惨劇の 証拠を隠滅した私はそそくさとBBMを後にし、その足でとりあえず故郷のGfayへ と向かった。目的はお隣のゾーンLeserFayderである。 (あそこならむか〜〜〜し1度だけ行った事あるし、その時は真っ赤っかだった し、きっと今の私にちょうど良いわね、うん。) 目算はこんなもんである。たったかGfayを走り、うろ覚えの道をたどってLfayを 目指して走る事1時間程。 (・・・) 何故か目の前には荘厳なFelwithの城門がそびえ立っていたりする。そこかしこ で飛び交う生まれたばかりの冒険者の放つ光弾やら蝙蝠の断末魔やらをしばらく 満喫した後、何食わぬ顔で回れ右する私。 「そうそう、こっち、こっちよね。あはははは・・・。」 誰も居ない道をひた走る私の笑い声だけが霧深い森に木霊していた。その後は (ちゃんと道を辿ったこともあり)順調に道取りは捗り、いつしか周りの木々は その数を減じ・・・私はLfayの森に立っていた。 続く




topに戻る