最強のカードでお支払い



カードで思い出した。

昔、北海道にいるときに札幌支店の後輩のhachiとマンボウの2人とわたしの3人で 地方都市(この時は確か旭川だったと思う)で巡回の最終日に落ち合って次の日の休みにゴルフ (現在はやらないがその当時は営業でへたでもしかたなくやっていた)をしたことがある。

その日の夜に旭川の盛り場「三六街」に飲みに行って、若いおねえちゃんのたくさん出てくる飲み屋で支払の時、
hachiが「深谷さん、ここはカードで!」などと言うのです。
「ん?なんで」
「誰が一番強いカードを持っているか競争しましょう」 などとおかしなこと言う。

わたしは、カードに不信感があるのでそのころからたった1つのカードしか持っていません。
苦労して入ったスーパー系の年会費無料カードが1枚だけ。ということであっさり降参。失礼しましたー。

続いて、彼より年上のマンボウは、「待ってました!」とばかりに、この日のために持ってきましたというべきカード
「アメリカン・エクスプレス・ゴールドカード」を出しました。

なんでこんなカード持ってんだよー?!

ええぃー。頭が高い、控えい、控えぃー!!世が世なら首が飛ぶぞ!
は、ははぁーーー!恐れ入りましたぁーーー。
という金色に輝くアメックス・ゴールドカードを実はその時に初めて見た。

個人の価値観の違いだからかまわないけど、年会費高いでしょ?
え?その年会費の分の価値を感じてる?
ほっ、ほぅーー。そんならいいけどね。

そして、言い出しっぺのhachiくんが出したカードは、JCBのゴールドカードだった。
うーーん、これは、マンボウの勝ちやなぁー。やっぱ。アメックスの「怒涛の寄り切り勝ち」でんな。

すると、その呼吸を読んでいたとしか思えないタイミングでhachiくんは、もう一枚カードを取り出した。

「ちょっと、まったぁー!」

hachiくんは、金色に輝くカードをまた、取り出したではないか!
ん?なによー?そのカード。

ふーん・・・?。奪い取って見てみますと、「TOKYOCARD」と書いてある。

「なんだ、これ?東京カードってなんだよー??」

「ふっふっふ・・・。(笑)深谷さん、これはですね。
東京に祖父の代から、つまり3代続けて住んでなお且つ庭付きのある一定の面積以上の一戸建てを所有している者にのみ与えられるカードなんです。 つまり真の東京人としての証なのですよこのカードは!」

おおぉ・・・!ほんとかよー!それはーーー。そのような「ステイタス」があるとは知らなかった。 すごいーー!やっぱおまえは伊達に池袋セントポールの出身じゃなかったなぁ。 さすが都会派!見直した。などと誉めまくってしまいました。


・・・で。


ややあって、気がつきました。「あれ?おまえ実家川崎じゃんかよー。なんで東京カードなのよー」

「う・・、いや、東京近郊でこの条件を満たさない場合に特別に巨額の会費を支払えば、このカードは発行されるのです」
「嘘つけ!。巨額の会費をおまえが払える訳ないじゃんかよー!」
「いやー、ばれちゃいましたかー。では、正解を発表します。これは、実は単に東京銀行のカードなんです」

と、まじめな顔で言われても、「とっさ」にその意味を理解することができませんでした。
おそらく、この与太話を何度もやっている彼の「嘘」が完成されており、真実に聞こえたのです。それぐらい場数を踏んでいたということでしょう。

冷静になって落ち着いて考え直すと・・・。三菱銀行と合併になる前の東京銀行のカード、つまり誰でも手に入れることのできる単なる銀行のカードだったのです。
でも東京銀行のカードですから、当然「TOKYOCARD」で間違いはないですね。

「なんだよー。ただの銀行のカードかー!びっくりさせんなよなー」

「いえいえ、深谷さん東京銀行はどこにでもある訳ではありません。
その主業務が外国為替取扱いということから一般の人にはなじみが薄い。
だから、一般の人はほとんどこのカードの存在を知りません。
つまりは、このカードには”貴重価値の強み”があるのです」

聞けば、彼は友達に東京銀行勤務のやつがいて、頼まれて無理やり作らされたカードだったというのです。

しかし、これがここ北の大地の北海道の飲み屋のねーちゃんに「バカ受けした」のだというのです。

彼も最初は別になんとも思ってなかったそうですが、たまたまこのカードを使って支払ったらえらく受けたそうであります。それから味をしめていつもこのカードで飲み屋では上記の「嘘をつきながら」支払うのだそうであります。

実際、北海道の飲み屋のねーちゃんには、ダイナースよりも価値がある、いや人気があるというのです。

「そりゃないでしょ。うそだろー?!」
「うそじゃないですよー。じゃ、みんなに聞いてくださいよー」

わたし、その店のねーちゃんのみなさんに向かって。
「じゃーみなさんこのマンボウくんの”アメックス・ゴールド”とこの”TOKYOCARD”とどっちがカッコイイ?」と質問しました。

満場一致で、「TOKYOCARD」の勝ちぃーー。
えーー!うそだろー!ほんとかよー。
うーん、負けました。hachiくん、あなたの言う通り。

うん、うん。俺はいい。俺はいいよ。スーパーの店頭で誰でも入れるカードだからね。
でもねぇー。この日のために高い年会費払ってきたマンボウ先輩。
君よりも年上の彼の立場はどうすんの?え?

もう、分かったね。いい気分になったところで割り勘はおまえ一番多く払えよな。
いや、全部おまえの払いだなぁー。きょうはー。

うーん。しかしねぇ、これは、ある意味「ブランドというものの真実」をついてると思うよね。
ところ変われば、好みも変わる。

東京の真中で金色に輝く”TOKYOCARD”を見せられても
何よそれって感じでしょう。いや、実際。
でも、ここ北の大地の飲み屋のねーちゃんたちは「アメックス・ゴールド」よりもおそらく「ダイナース」よりも 「TOKYO」という文字に込められた「都会的なるもの」に清き1票を投じたということでしょう。

いやー、実はね、ほんとのこと言うとね。君の「嘘の講釈」聞いてた時、おれもすっごく欲しいと思ったよ、そのカード。

今はもうこのカードは存在しないはずだよね。だって東京銀行自体がないんだもんねー。
hachiくん。もし有効期限が切れたそのカードを今でも持ってたら、この「嘘」はやっぱし北の大地の飲み屋のねーちゃんに 今も通用すると思うよ。
捨てずにもってるだろー。
仲良くしよう。今までのことは忘れて。

お、そう言えば最近「結婚したんだったよな」hachiくん。
奥さんこのページ見てないかな?
見てないなら、先輩として「君の人となり」について「僕の主観」を率直にお伝えしたいと思う。

そのカードを持って「場をセッティング」するように。
わかった?。
マンボウは会社変わって静岡だからマンボウの恨みまでわたしが背負って奥様にお伝え申し上げる。

いいね?