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No.289 秋田駒ケ岳と森吉山

ーみちのく花の百名山といでゆの旅ー
(歩程:1日目・約4時間、2日目・約6時間、ランクB2)マップ

乳頭温泉へ
孫六温泉
 明け方まで雨が降っていたが、家を出る時にはほとんど止んでいた。
久喜ICから東北道に入り、途中休憩をとりながら盛岡ICから乳頭温泉へ。黒湯の駐車場で バスを降り、新緑の山道を5分ほど下ると、橋の向こうに木造のひなびた孫六温 泉が、ブナの新緑の中で静かに湯煙をたてていた。
 さっそく湯治場らしい雰囲気のある唐子の湯、石の湯そして露天風呂につか る。
上の黒湯まで出かけた人もいたようだ。夕食は山菜を中心とした料理で、宿 の主人がサービスしてくれた地酒「孫六」の一升ビンが、アッという問に空にな る。もう一本追加したが、それも横になるまでそう時間がかからなかった。  寝しなに露天風呂に入る。赤茶けた電球がポッンと灯り、見上げると星がチカ チカとまたたいていた。

秋田駒ヶ岳へ登る
雪渓のトラバース
 雲が切れてところどころ青空がのぞいている。八合目の駐車場のすこし手前 で、田沢湖が下に見えてきた。
前を走る路線バスの乗客も5人ほどで、駐車場 はクルマが一台もいない。駒ヶ岳の山頂は雲に隠れ、片倉岳に登る斜面には雪が タップリついている。先行のパーティが慎重な足取りで雪渓のトラバースを終 え、樹林帯に入っていった。
 いよいよ秋田駒への第一歩がはじまる。雪渓も近づいて見るとそれほどの傾斜 もなく、みんな軽快に登ってくる。登山道の脇にはショウジョウバカマがみちの くの遅い春を知らせ、タムシバの白い花びらが輝く。
片倉岳展望台につくと冷た い風が吹きぬけた。霧が深くなりポツポツと雨が落ちてきた。

阿弥陀池から男女岳
アイゼンをつけて降る
 薄暗くなった霧の中を歩いていくと木道となり阿弥陀池についた。池を回るよ うにして男女岳の下にでる。
霧が急に薄れて20mほど先に避難小屋が姿を現し たが、すぐにまた見えなくなってしまった。
雨具をつけて石を敷き詰めた登山道 をのぼる。途中から雪渓が道をふさいでいる。わずかな距離だが傾斜もつよく緊 張する。踏み跡を慎重にたどってまた登山道にもどる。すぐその先が一等三角点 のある秋田駒ヶだけの最高峰、男女岳の山頂だった。
 誰もいない貸切の山頂で記念写真をとり下山する。雪渓はアイゼンをつけて ゆっくり降る。霧が晴れて横岳の山頂から焼森へつづく稜線がはっきりと見えて きた。避難小屋の前から稜線をめざして登りはじめる。急な雪の斜面を登りきる と男岳分岐ですぐ目の前が横岳だ。雲が切れ青空もすこし出てきたのでランチタ イムにする。焼森の右に岩手山がみえた。
 火山礫の道を下り焼森から赤倉沢におりると、大きな雪壁が立ちふさがり行く 手をはばまれる。右端にロープがあるのでそこまで登り雪壁の上にでる。
えぐれた道をくだりつづけ、バスの待つ駐車場に帰りついた。時間があるので田沢湖の 湖畔にある「たつ子像」を見物する。黄金色の像の後に半分雲で覆われた秋田 駒ヶ岳が横たわっていた。
 今夜の宿、打当温泉「またぎの湯」は「孫六の湯」とは反対の近代的な建物 で、ゆったりした風呂場で登山の疲れをいやす。明日にそなえて早めにフトンに もぐり込んだ。

秋田駒ケ岳にて

森吉山に登る
ガイドの金沢さんを先頭に森吉山へ
 朝、目を覚まして窓から外を見ると雨が降っていた。こめつが山荘の休憩舎で 軽く朝食をとり雨具をつける。
ガイドの桜田さん、金沢さんと一緒にスキー場の ゲレンデ沿いに登りはじめる。高校山岳競技会があるとかで、若い人たちが大き なザックを背に大勢登っていった。その人たちから若さを貰うようにして後につ づく。雪の溶けたゲレンデにはフキノトウがいっぱい芽をだしていた。
ブナの林に入ると金沢さんがキクザキイチゲ、ミツバオウレン、タカネザク ラ、イワウチワなど教えてくれる。うっかりすると見落としそうなところに咲い ている花もある。雨も止んだようだ。残雪の急な登山道を登りきると一の腰の ピークについた。

 相変わらず展望はない。ここから残雪の広い尾根を歩いて森吉神社についた。 アオモリトドマツがところどころ頭を出している雪原をゆるやかに登り、石森の 小さなピークにつく。分岐の標識も雪に埋もれ、木道がわずかに姿を現してい た。ブナの根元の雪は溶けているが雪の深さはまだ2mもあり、金沢さんは全部 溶けるのは7月になるだろうと話していた。
 アオモリトドマツの間をぬうようにして登っていくと森吉山阿仁避難小屋につ いた。霧がいくらか薄れ、森吉山の山頂付近がわずかに見えてきた。火山礫の道 のかたわらにチングルマが一輪だけさいていた。
[山頂につくと地元の人たちが7人ほど休んでいた。埼玉から来たというと、 「遠くから来たのに雨で申し訳ないね」と慰めてくれた。
もう少し霧が深く、また雨がもう少し強く降って、ガイド さんがいなければ、山頂まで登ることはできなかったかも知れないと思うと、感 動的な気持ちになってきた。

啄木の見た岩手山
 また、雨が降ってきたので雨具をつけ、記念写真をとってから下山する。避難 小屋で早めのランチタイムをとり、石森分岐からブナ帯コースにはいる。ザゼン ソウやツバメオモト、サンカヨウ、シラネアオイの花々を楽しみ、コシアブラを 摘みながらブナ帯キャンプ場の駐車場に到着した。
 後は一路帰宅を急ぐのみ。雫石付近から夕日をあびた岩手山が雄大だった。い つか訪れる機会を願いながら東北道に入る。予定より25分くらい遅れたが無事 鶴瀬駅前に到着、2泊3日の山旅を終える。
最後になりましたがガイドの桜田さん,金沢さん、また3日間安全運転に努めていただいたドライバーの小桧山さ ん、本当にありがとうございました。(文:小林利秋 写真:牧 英雄)

(タイトル背景は田沢湖から秋田駒,岩手山の写真は関根正之氏提供)

森吉山の花(名前のクリックで右画面に表示)
イワナシ
イワウチワ
マイズルソウ
ツバメオモト
ザゼンソウ
ムラサキヤシオツツジ
●ガイドして頂いた金沢さんからのお便り 

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平成17年6月3日(金)〜5日(日) 参加者27名
			CL:小林利秋、SL:沢 ソノ子 

     平成17年6月3日(金) 雨
コースタイム
ポイント   到着時刻    出発時刻    所要時間
鶴瀬駅前           5:32     −
乳頭温泉  14:56     −      8:34(バス)

               6月4日(土) 曇り一時雨、のち時々晴れ
乳頭温泉    −      8:01     −
八合目駐車場 8:42    9:00     0:41(バス)
片倉岳展望台 9:35    9:40     0:35
阿弥陀池  10:22   10:30     0:42
駒ヶ岳山頂 10:56   11:05     0:26
阿弥陀池  11:26   11:35     0:21
横岳    11:52   12:30     0:17
八合目駐車場13:12   13:30     0:42
                       (3:03)
        6月5日(日) 曇り時々小雨
ポイント    到着時刻    出発時刻      所要時間
こめつが荘   6:08    6:33     0:27(バス)
一の腰     8:12    8:22     1:39
森吉神社    8:47    9:08     0:25
石森      9:15     −        0:07
避難小屋    9:30      9:40     0:15
山頂     10:15    10:30     0:35
                        (3:01)
避難小屋  10:55    11:25    0:25
石森分岐  11:39     −       0:14
山頂駅   11:58    12:05    0:19
ブナ帯駐車場13:03    13:30    0:58
                                         下山(1:56)
                      合計(4:57)