No.293  鳳凰三山縦走

No.293  鳳凰三山縦走

 
--花崗岩に覆われた大展望の縦走路を歩く--
 
(総歩程約14時間 ランクC1)立体マップ

夜叉神峠
杖立峠付近で小休止
 1日目 8月5日(金) 晴れ
 鶴瀬発4時55分。夜叉神峠登山口までもう少しの所で、一般車乗り入れ規制のた め、地元のタクシーを手配、分乗するハプニングが発生した。係の方たちには予想外 の、時間ロスと雑務であった。
 全員揃ったところでいつも通り、軽くストレッチをして出発。「ゆっくり歩いて、 夜叉神峠まで休まずに行きます」とのこと。カラマツ、ミズナラなどの登りやすい登 山道を、ゆっくり、一生懸命ついて行く。
小1時間歩き、水タイムに救われる。夜叉 神峠で休憩し、生き返った。標識のそばに咲いていたヤナギランは、しっかり記念写 真に収まったようだ。展望なし。
 北への縦走コースは急坂になり、「まだこんなところよ・・・」と地図を見なが ら、序盤でバテそうだったが、汗を拭き拭きひたすら登る。樹林帯の涼しい場所で ゆっくり昼食。20分ほどでようやく杖立峠だった。ガラガラした石道は暑くて歩き にくい。時折原生林が切れて、明るい草原に出る。丈の低いオダマキやクサイチゴが 可愛らしい。予想に反して、苺平は暗い樹林の中だった。
 ここからは緩やかな下り坂となり、3時半には広々した平地に建つ 南御室小屋に着 いた。キャンプサイトもあり、周りの針葉樹にはサルオガセが目立つ。手が切れそう に冷たい水が豊かに流れていることと、トイレもきれいで申し分なし。4人のスペー スを3人で使用できたのもありがたかった。
 7時就寝。12時頃外に出ると、満天の星で、天の川が大空を滔々と流れていた。


薬師岳頂上
タカネビランジ
2日目 8月6日(土) 曇り
 「朝霧は、晴れ!」のことばに気をよくして、5時50分出発。出だしは急登だ が、すぐに緩やかな登りになる。
ザックは重いが、胸のベルトを縮めたので楽になった。ガマの岩の所で一服。シラビソがダケカンバに変わり、左にゴゼンタチバナ、右 にツマトリソウの、よく似た白い小花を見ながら薬師岳小屋を通過。
花崗岩の白い山稜が目に付く。ハイマツ帯をたどり、いよいよ三山の縦走だ。
 白砂と巨岩の薬師岳が近づく。時間がたっぷりあるので、のんびり行くことになっ た。タカネビランジの花との出会いを、心ゆくまで楽しみながら歩く。ピンクの優し げな花は、小さな岩の割れ目にも咲くけなげな花でもあった。

観音ヶ岳
山頂は広いが、あいにくガスっていて、360度の大パノラマはお預けだ。
スナハライ岳の小さな標識が立っている。朽ちかけたハイマツの巨木に、畏敬の念を覚える。
岩に膝小僧をぶつけてしまい、また大きな岩を前に迷っていると、上で待っていたリーダーの「左よ」の アドバイスが、実に的確でうれしかった。
 三山最高峰の観音岳(2840m)山頂は花崗岩が折り重なり、さえぎるものがな い。ここから地蔵岳を望むと、鳳凰三山のシンボル、オベリスクが顔をのぞかせる。
てっぺんに立つ2人がはっきり見えた。展望待ちをかねて20分休んだが、越えてき た薬師岳と、これから向かう地蔵岳が、霧の流れの中に見え隠れするだけだった。富 士山などと欲をかかなければ、上々の眺めではある。

観音ヶ岳から地蔵ヶ岳へ
地蔵ヶ岳

 アカヌケ沢ノ頭に祀られている小さなお地蔵様を拝み、地蔵岳へ向かう。
賽ノ河原 の多数のお地蔵様を見てから、少し下った所で2度目のランチタイム。大迫力のオベ リスク基部まで登る人、シートを広げて寝ころぶ人・・・。発つ前に集合写真を撮 る。呼び止められた男性は、嫌な顔もせずシャッターチャンスを待ってくれた。
 白砂の急斜面を下り、シラビソ、ダケカンバの樹林帯を行き、休憩の声がかかるの と、鳳凰小屋が見えるのが同時で笑ってしまった。 1時着。水場あり、沢も流れているが、トイレはなるべく我慢だ。
小屋の前では石油缶のかまどで湯を沸かしていた。煙 の匂いが懐かしい。ヒメシャジン始めいろいろな花が咲いている。ヤナギランの群生 は見事だが、花は数日後になろうか。土曜日なので混んでいるが、早く着いたゆとり がありがたい。
 夕食のカレーはお代わり自由でおいしかった。星空を霧が流れていた。

クルマユリ
3日目 8月7日(日) 晴れ時々曇り
 寝床の小窓から朝焼けが見えた。6時の出発時には、まさにぴーかん。今日なら山 頂の大展望が、と誰しも思う。
サンカヨウの黒い大粒の実がなっている、キャンプ地 脇の道を班毎に歩き始める。
カニコウモリの白い花は、線香花火が燃え尽きる時のよ うにピョロピョロッと情けない。御座石鉱泉まで標高差1200mの下りである。膝 を痛めないよう慎重に行こう。後ろにオベリスクが見え、歓声をあげるがあっという 間に霧の中だ。
 レンゲショウマが咲き始めたとのことで、みんな楽しみにしながら歩くが、なかな か行き合わない。燕頭山で一休みする。この辺りの木にはサルオガセがびっしり垂れ 下がっている。木の種類、大小を問わずに取り付き、たまったものではないだろう。
しばらく下ると落葉樹が目立ち、森が生き生きしている。もうサルオガセの出番はな さそうだ。ツバメオモトの実が、黒や群青色で美しい。シモツケも咲いている。そし て、レンゲショウマが咲いていた。やや小振りで、つつましくうつむいた花のぼかし 加減が何とも言えず、丸い蕾も愛らしい。
登ってくる人に出会うと、大変だなあと思う。フシグロセンノウが咲く御座石鉱泉には11時に着いた。
汗を流し、ビールと山菜そばで満ち足りたひとときを過ごす。迎えのバスに乗って、川沿いの林道をヒヤヒ ヤしながら帰路についた。
雨にも雷にも合わず、全員無事に楽しい山旅を閉じること ができ、本当によかった。係さん、みなさん、ありがとうございました。

(文:鈴木繁子、写真:中里宗弘)

 平成17年8月5日(金)〜7日(日) 参加者:18名
                           CL中里宗弘、SL川原克子
 コースタイム
 1日目
 ポイント          到着時刻         出発時刻           所要時間
 夜叉神峠登山口    9:15         9:25              ー
 夜叉神峠        10:35       10:50           1:10            
 杖立峠          12:45       12:50           1:55
 苺平            14:40       14:55           1:50
 南御室小屋      15:25           ー               0:30
                                                      (5:25)
 2日目
 南御室小屋           ー            5:50             ー
 薬師岳           7:35          7:50           1:45
 観音岳           8:25          8:45           0:35
 地蔵岳         11:15        12:25           2:30
 鳳凰小屋       13:00            ー               0:35
                                                      (5:25)
 3日目
 鳳凰小屋             ー            6:00              ー
 燕頭山           7:45          7:50           1:45
 御座石鉱泉     10:55            ー               3:05
                                                      (4:50)