bQ94 西穂高岳と乗鞍岳

bQ94 西穂高岳と乗鞍岳

  
−北アルプスの雲表を歩くー
(ランクB3)

西穂山荘へ

ロープウェイのゴンドラ
トリカブト
 梓川と中ノ湯で分かれ、安房峠をトンネルで抜ければ平湯である。蒲田川に そって走ると千石尾根ににつけられた新穂高ロープウエイが見えてきた。
 しらかば平でゴンドラを乗り継ぐ。霧の中に入るとまったく視界が閉ざされ、 上下左右の距離感が失われてしまう。標高2156mの西穂高駅をでると、短い 夏の終わりを知らせるような涼しい風が吹いていた。山の風と戯れるようなシン セサイザーの生演奏を楽しみながらランチタイムをとる。


 樹林帯の中を少し登りはじめると雲が切れてきた。西穂山荘が右手の高みに見 え、独標から西穂高岳へ鋭い岩稜がつづいている。
 山荘の前の斜面にホソバトリカブトが一面に咲き、ちょっとしたお花畑になっ ている。すぐ目の前は梓川を挟んで岩山の霞沢岳と六百山がどっしりと腰をすえ ていた。テラスで飲むビールが登りの疲れをいやしてくれた。
 今夜は満月なのだが雲があつくなにも見えない。明日の好天を期待して早めに 寝ることにした。
西穂山荘

西穂高岳独標に登る(立体マップ)

西穂山荘前で
西穂独標
(写真クリック拡大)
コマクサ
 期待したとおりの青空が広がっていた。トリカブトやウサギギクの咲く急斜面 をぬけると、独標とピラミッド、その奥に西穂高岳が頭をのぞかせていた。南は 焼岳、西は錫杖岳から山頂を雲でかくした笠ヶ岳と展望が広がった。
トウヤクリンドウの咲く尾根を登っていくと独標(2701m)の岩壁が行く手をはばむ。
ザックを置いて空身で岩壁にとりつく。岩の間に紫の色も鮮やかなイワギキョウ が咲いていた。
攀じ登ったピークはやや広い岩場で、西穂高岳まで急峻な岩稜が続いていた。
梓川が大きく蛇行し、上高地帝国ホテルの赤い屋根がすぐ下に見えていた。
 山荘に帰り着くとかわいいお嬢さんを二人つれたYご夫婦に会う。平湯でキャ ンプを張り明日は乗鞍岳でスキーを楽しむそうだ。記念写真のシャッターを押し てもらい山荘をあとにする。

 新穂高温泉駅からバスに乗る頃パラパラとにわか雨が降ってきた。乗鞍岳の畳 平には2時についた。
富士見岳(2817m)に登るとあちこちにコマクサが咲き、ウサギギクの群落も多い。
 肩の小屋には風呂もあり2日間の汗を流すことができた。夕食を終えると土砂 降りの雨になった。これでは日没を見ることもできない。諦めて部屋でウトウト する。
 いつか霧が薄くなりコロナ観測所の灯りがはっきり見えている。廊下にでると 突き当たりの大きな窓に十六夜の月が上がりはじめていた。
外にでると頭上高くベガ、アルタイ、デネブの夏の大三角形が輝いていた。

乗鞍岳から平湯温泉へ(立体マップ)

剣ヶ峰
畳平と恵比寿岳
   日の出を見る予定で朝4時に起きたが霧が深くなにも見えない。晴れることに わずかな望みをかけて山頂をめざす。
雨は止んでいるのだが風が冷たい。火山礫の登山道を黙々と登っていく。
稜線に出ると身体を斜めにしないと歩けないような強風の洗礼をうける。
木柱のポッンとたつ蚕玉岳(2979m)を過ぎると霧の中から頂上小屋が滲んだように姿を現した。
そのすぐ先に社殿が建ち、一等三角点のある剣ヶ峰(3025,6m)についた。
気温10度、風が強いので体感温度は0度に近く、ストックを持つ手が凍えるようだ。
 小屋で朝食の後、スタッフの女性の見送りをうけて畳平まで下る。
大黒岳(2772m)の山頂に着くと雨が降ってきた。
 周辺を散策する予定だったが平湯へ下ることにする。
日帰り温泉「ひらゆの森」は規模も大きく露天風呂がいくつもある。
硫黄臭のある白く濁った温泉につかり手足をのばして2泊3日の山歩きの 疲れを落とす。
仲間たちと飲む湯上りのビールが一段と美味しかった。

大黒岳
平湯温泉
                                    
(文:小林利秋・写真:中里宗弘)

平成17年8月19日(金)〜21日(日)2泊3日      参加者35名
			   CL 鈴木圀臣  SL 中里宗弘

ポイント   到着時刻    出発時刻    所要時間
(19日)
西穂高口駅  11:45   12:34     −
西穂山荘   14:01       ー      1:27
                       (1:27)
(20日)
  〃      −     6:10     −
独標      7:38   7:55    1:28
西穂山荘        9:20      9:45        1:25
西穂高口駅    10:55      −      1:10
                      (4:03)

畳平          14:00  14:15     −
富士見岳   14:40  14:50        0:25
肩の小屋   15:15         −           0:25
                      (0:50)
(21日)
  〃             −         4:58          −
乗鞍岳          5:55      6:05        0:57
肩の小屋        6:48      8:10        0:43
畳平            8:24         −           0:14
大黒岳          8:37      8:45        0:13
畳平            9:00         −           0:15
                                            (2:22)
                              総所要時間    8時間42分