21世紀の開発プロセス

(1) ライフサイクル設計に必要な開発方式
20世紀の科学技術は急速に発展し、めまぐるしい進歩を遂げた。 特にエレクトロニクスを中心とした発展のめざましい分野では、過去の経験則やマニュアルは次第に役立たなくなってきた。

また、急増した環境負荷低減などの未知・未経験の分野までを開発段階で保証するしていくという、新たな技術課題であるライフサイクル設計が大きくクローズアップされている。

このライフサイクル設計の範囲は、顧客要求にともなう研究・マーケティング活動から製品を企画し、開発設計・製造し、顧客使用に対するメンテナンス・サービスそして、製品がリサイクル・廃棄されるまでをいう。

こうした背景を考えると、設計、試作、確認実験をし、その結果を設計改善に結びつけていく従来の“確認修正型”の開発方式は、ライフサイクルをカバーできず、時代遅れのやり方となる。

環境経営の時代に必要な開発方式は、開発設計の段階でライフサイクルで発生する問題や環境負荷を予測し、予測した問題が起きないように、事前に対応する“予測対応型”である。

今後、予測対応型の開発方式に製品開発のメカニズムを変換することが、ライフサイクル設計のコストダウン手法の原点となる。


(2) 製品開発と技術開発
従来日本の企業の製品開発方式は、顧客要求に合わせて製品を企画・開発するやり方である。

この方法は、顧客要求が出ないと設計に着手できないため、開発業務を製品の企画業務に先行させることができないという欠点を持つ。

また、確認修正型であるため、確認漏れや見逃しが出た場合には、市場に出荷した後で予想外のクレームが発生することがある。さらに、開発納期に追われている開発設計者は、十分な確認実験を行う時間が取れないので、安全計数を高めに設定して機能の安定性を確保する傾向にあり、製品自体は過剰品質になりがちである。

ここに、見えないコストダウンの余地が存在している。

これに対して、事前に必要な要素技術の機能を研究して機能のばらつきを低減しておき、顧客要求が出てきたときには、直ちに特性を合わせるようにしておく開発方法を“技術開発”と呼ぶ。

技術開発は、製品開発の方法とは異なり、開発業務を製品企画業務に先行させることができる。製品企画が終了して、顧客要求から要求特性が出てきたときには、機能のばらつきが小さい製品を、短時間に効率よく開発でき、開発効率は著しく向上する。

図表1

図表1は、技術開発によるライフサイクル設計の概要手順である。事前にシステムの機能のばらつきや環境負荷を低減する領域をオフライン設計、顧客要求から製品の企画、開発を行う領域をオンライン設計と呼ぶ。



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